エッセイ集/知の協創支援(その2)

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013 知の協創支援(その2)

児西清義 2010.7.18

「知の協創支援」は、基礎編と実践編の二つに分かれている。基礎編は、5章で構成されている。特に第1章から第4章までは、知識創造や協創に関する理論的な研究について過去に遡って跡づける解説部分である。まず第1章は、創造の歴史的な視点と哲学的な視点からのイントロダクションである。ここでは、発見を論理的に行う過程として帰納法、演繹法に加えて仮説推論法(アブダクション)に至る論理学の流れが紹介されている。第1章ではまた、計算幾科学からの人工知能・知識表現、論理学からの記号論、人間そのものの研究からの流れである心理学・脳科学・認知科学、あるいは言語学の流れが融合し、インタラクションのプロセスを経て”協創”になることが解説してある。第2章では、人間の頭の中の研究と創造の関係が中心に解説してある。特にポイントは、創造のメカニズムとは、心的イメージの操作であることが示されている。そして計算機内のアルゴリズムやモデル、あるいはシミュレーションを人間の頭の中(脳内)の心的イメージの操作に対応づけることができる。この人間の頭の中にある心的イメージの操作と計算機内の操作のインタラクションが”人と計算機の協創”としてとらえることができる。このことが、基礎編全体で解説してある。このような意味から、協創の構造と知の関係は図1のように示すことができる(この図は、知の協創支援本文中にある図3・1である)。

20100718「協創の構造と知.jpg

図1

基礎編の第5章では、どちらかというと記号論、計算機科学・人工知能・知識表現中心の物の見方ではなく、認知科学とくに身体性認知科学と呼ばれる考え方でシステムとしての協創プロセスを分析して協創のプロセスをとらえ直す論が展開されており興味深い。

一方実践編は、第6章から第10章までの5章で構成されており、実社会で協創がどのように実践されているのかが解説してある。この実践編で紹介されるツールのいくつかはダウンロード可能になっており、読者はダウンロードしてツールを使うこともできる。このような出版形態は、e-Book とも呼ばれており、書店の店頭に置かれる印刷物としての書物と出版社のホームページ、各章・節ごとの著者のホームページがリンクされている。この仕組みがもう少し本格化してダイナミックに構成されることになれば、電子書籍時代にふさわしい魅力的なものになっていくと思われる。

なお、この書物全体の内容を俯瞰する知識地図を作成して「知の協創支援」の表紙見返しに掲載することになった。この知識地図は、書物全体を児西がどのようにとらえたのかという見取り図であるが、読者が全体を把握する手助けになれば幸いである。この知識地図では、実践編の各章は水色系で統一されており、この”水色の群島”と基礎編の中のキーワードが点線のリンクで結ばれている。これにより読者はこの書物の中にある異なる章にまたがる関係性を把握できるように工夫した。この図は、下記をクリックすれば、拡大して見ることができる。


図2 ↑クリックして拡大

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Last-modified: Mon, 19 Jul 2010 07:43:35 JST (2839d)
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