連載物語/七人の侍を集める (2.2)

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わが旅、次世代コンピュータ

第1編 第五世代への旅

第2章 船乗りを集め、地図をつくる

  • 七人の侍を集める (2.2)

    ―産業界に近い人々―

「七人の侍」は児西がプロジェクトのキャスティングに取りかかって最初にコンタクトした人々である。この7人のうち6人は、委員会が立ち上がった段階で「社会環境分科会」の委員として活動することになる。プロジェクトの企画・立案段階では、技術者・研究者達に検討の外部条件、すなわち第五世代コンピュータが使われる1990年代の社会環境のシナリオを作成して供給するのが役割である。しかし、実際にこのメンバは特に社会環境の専門家というのではなく、現実のコンピュータとその課題をよく知っている人々である。現在のコンピュータの課題を知っている人々に10年先のシナリオを考えていただき、その時代のコンピュータが備えるべき機能・性能面での条件をまとめるという考え方である。

しかし、コンタクトを始めた時点からこの社会環境分科会を意識していたのではなく目標に至るシナリオを描くことができそうな人々にともかく会うことから始めた。学界というよりは産業界に近い人々からコンタクトを始めて、結果として非常に個性的な「七人の侍」と呼ぶにふさわしい人のつながりが出来上がった。これらの人々は、プロジェクトの目標が定義され、第五世代コンピュータを開発する研究所が設立された後も、このプロジェクトの応援団として世の中に情報を発信し続けるパワフルなグループとして継続することになる。実際の研究開発は、通産省(電総研)、メーカそしてNTTから派遣される若い技術者達が行うことになる。

ところで研究開発プロジェクトを組織化する、あるいは立ち上げるときにどのような人々をどのようなバランスで集めるのがいいのか?児西は通産省における第五世代コンピュータプロジェクトやNTTに復帰した後の研究開発プロジェクト企画・立ち上げを多く経験した。この経験を生かしてNTT外で行われるいくつかのプロジェクトの企画・立ち上げのアドバイザーとして活動したことがある。そのときに感じた課題は、企画を行うチーム、実際に研究開発の実務を行ういわば“実行部隊”、それに加えて世の中にメッセージを発して研究開発プロジェクトを脇から支える人々の構成の仕方に注意しなければならないことである。もっと具体的にいえば、“研究開発の実行部隊の姿が見えない”プランニングに出会うこともあった。このような場合には、企画段階では大いに盛り上がり、イベントも成功する。しかし後が続かなくなることが多い。また企画とマネジメント(最近はやりのMOT)の人々が多くいて、研究開発の実行部隊も多いのであるが片手間の先生方が多いということもある。複数のプロジェクトで活動する片手間の研究者が多い場合には、豊富な資金が研究をスポイルすることになってしまう場合もある。また、そのプロジェクトだけに専心する研究者のいない組織には限界がある。



          





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Last-modified: Tue, 30 Oct 2007 11:24:36 JST (3944d)
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