エッセイ集/公開情報だけで知識地図をつくる の変更点

 

 *003 公開情報だけで知識地図をつくる [#l418d5bf]
 ***児西清義 2005.10.26 [#oe3644b9]
 
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 知識地図の実例をお見せすると、「きっと大変な機密情報がこの地図の上には記入されているのでしょうね?」と聞かれることが多い。ところがナレッジプロデュースでは公開情報をのみで知識地図を作成することを心がけている。インテリジェンス・コミュニティなど情報の分析の世界では“集める情報のうち90%が公開情報であっても十分に判断できる”というのが常識であるそうだ。これについては外務省OBの岡崎久彦氏がその著書である“情報戦略論ノート”や“情報戦略のすべて”などで具体例とともに紹介されている。ここではその具体例を引用させていただくことにする。すこし古い話になるが、1979年の12月に旧ソ連がアフガニスタンに侵攻する。このときイギリスの諜報機関であるMI6のあるアナリストが事前に、情報を分析した結果として“12月に侵攻する”ことをぴたりと当てたという有名なエピソードがあるそうだ。しかも、この事例ではそのアナリストがその予測に使った情報の90%は公開情報であるということである。このような諜報活動にかぎらず、目の前に起きている事実、公開情報を注意深く分析していれば多くの仮説やシナリオを思いつくことができる。これはエコノミストや投資銀行のアナリストなど情報をもとにビジネスをしている人々についても共通のことのようである。
 知識地図の実例をお見せすると、「きっと大変な機密情報がこの地図の上には記入されているのでしょうね?」と聞かれることが多い。ところがナレッジプロデュースでは公開情報のみで知識地図を作成することを心がけている。インテリジェンス・コミュニティなど情報の分析の世界では“集める情報のうち90%が公開情報であっても十分に判断できる”というのが常識であるそうだ。これについては外務省OBの岡崎久彦氏がその著書である“情報戦略論ノート”や“情報戦略のすべて”などで具体例とともに紹介されている。ここではその具体例を引用させていただくことにする。すこし古い話になるが、1979年の12月に旧ソ連がアフガニスタンに侵攻する。このときイギリスの諜報機関であるMI6のあるアナリストが事前に、情報を分析した結果として“12月に侵攻する”ことをぴたりと当てたという有名なエピソードがあるそうだ。しかも、この事例ではそのアナリストがその予測に使った情報の90%は公開情報であるということである。このような諜報活動にかぎらず、目の前に起きている事実、公開情報を注意深く分析していれば多くの仮説やシナリオを思いつくことができる。これはエコノミストや投資銀行のアナリストなど情報をもとにビジネスをしている人々についても共通のことのようである。
 
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 知識地図上で行う作業には、“事実やリンクの意味を考える:Analysis ”、“地図上の空白地帯(GAP)を埋める、あるいは知識地図上の複数の島をリンクして新しい島を構成するなど:Synthesis ”、“関係性を発見する、新しいリンクをひくなど: Association ”、“地図上を俯瞰し、ある場所で起こっていることから別の場所で何が起きるかを推論する: Analogy ”、“地図上に貼り付けてあるテキストをトランプのカードのようにし、そのカードをめくりながらアイディアをフラッシュしていく: Idea generation ”、“知識地図全体を俯瞰して情勢を判断する:Judgment  ”、“知識地図上でいわゆる机上演習をする: What if simulation ”などがある。本ホームページの「知識地図上での作業」の図を参照されたい。
 
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 このような知的な作業を行うプラットフォームである知識地図上にちりばめられ、関係づけられている情報に“公開”と“機密”の区別はない方がいい。機密の情報があるとついついその情報が作業をするチームに対して実際以上に大きな重みを持つように感じられてかえって判断をあやまることに結びつくと筆者は考えている。このような考えをもっているので、ナレッジプロデュースでは知識地図は公開情報だけで描くことにしている。問題は、地図上にどのような情報を貼り付けるのかである。これについては、実際のところアルゴリズムがある訳ではない。知識地図を作成する目的や問題意識、それに加えて情報に関する感度(あるいはセンスか?)に頼ってこの作業を行うことになる。一人の人間だけで知識地図を作成すると選択される情報に偏りがでることになるので、同じ課題に取り組むチームを結成して“チームの知的生産技術”として知識地図を使うことにしている。
 
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 それでは公開情報のなかからどのようにして意味のある情報を見つけて知識地図上にマッピングするのか。一つは対象領域に関する暗黙知的な知識の蓄積をもつことである。これは一朝一夕にできあがるものではないので、知識地図を使うワークアウトではそのような知識を持つ人物の参加を求めることである。ナレッジプロデュースがネットワークしているコンサルタントにはこのような十分な経験をもつものが多い。情報をもとに判断し、企画する力を養うもう一つの方法は定点観測を行うことである。定点観測を継続することにより、暗黙知に相当する感覚が研ぎ澄まされてくる。上述の岡崎久彦氏の紹介する事例でも、このMI6の著名なアナリストを日本に招待して講演を依頼しても本人が出張を嫌がってなかなか来てくれない。その理由は定点観測と情報の分析作業という日々の仕事の流れを出張により乱されることを嫌っているからとのことである。
 
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 米国の俳優ロバート・レッドフォードがCIAのエージェントに扮する映画が少なくも2本ある。最近の方では、エージェントを定年で辞める直前のロバート・レッドフォードが最後に華々しく活動するという内容のものである。古い方の映画では、彼はエージェントというよりはCIAのアナリストとして活動する役柄である。その映画の中で彼は「CIAの人間であるというと007のような日常を想像されるかも知れないが、実際には毎日雑誌や書物を読み、毎日ディスプレイを眺めている(つまり定点観測をしている)退屈な日々である」ことをその台詞で喋っている。もっとも映画であるので、この退屈な日常がある事件により乱され、007的なストーリーが展開することになるわけであるが。ロバート・レッドフォードはともかく、企業の中で戦略を立案したり、新しい商品を開発したりする人々のベースの活動には、コンスタントに情報を収集する活動があるはずである。知識地図やシナリオ開発は、これらのベースの活動に付加価値をつける作業であるといえるものである。
 
 
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