連載物語/電子計算機開発のパイオニア達 (2.3.2) の変更点

 

 *わが旅、次世代コンピュータ [#v34231a3]
 **第1編 第五世代への旅 [#b6a49b68]
 ***第2章 船乗りを集め、地図をつくる [#of1b4782]
 研究者を集める (2.3)
 -電子計算機開発のパイオニア達 (2.3.2)
 
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 渕一博に再び会う。この場で児西は、手書きのメモを渡される。「電子計算機開発のパイオニア達(未完)」と書いてある。昭和32年から35年頃、有名だった人々という注釈つきである。これをみると、東大にはTAC系とPC1系の二つの流れがある。TAC系が山下英男から始まり、元岡達に引き継がれる。PC1系は高橋秀俊、後藤英一、和田英一に連なる流れだ。この二つの流れから派生する人々も点線でつながれている。
 
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 電電公社の通信研究所は、喜安善一から始まり、高島堅助、室賀三郎、池野信一らの名前がみられる。電総研の前身である電気試験所は、和田弘からはじまり日立に移った高橋茂、西野博二、慶応の相磯秀夫に連なる系統と後藤以紀から始まる流れも図示してある。阪大、京大、鉄研などの大学、研究所の流れに加えて、現在のメーカの中核にいる人々の名前が見られる。富士通では、故池田俊雄、山本卓真、石井康雄と続く。
 
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 池田俊雄の名前は、中野総括班長をはじめとして多くの人から聞いている。日本のミスターコンピュータといわれた人物だったが、過労に倒れて故人になってしまった。中野は、日本発のコンピュータ開発の流れを起こしたいと考えている。IBMを相手にして、コンパチ路線を余儀なくされ、ユニークな天分を十分に発揮することなく、若くして倒れてしまうエンジニアを出したくないと願っている。中野は非ノイマンという言葉で、その流れを創り出せないかと考えているわけだ。渕の作った系図には、NEC、日立、東芝、富士フィルムの名前までみることができる。
 
 
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 CENTER:図1 ↑クリックして拡大
 
 
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 このような人々が国産のコンピュータをリードしてきていた。児西はこの人名の列をしばらくながめている。この流れの次に、どのようなキラ星をつけ加えることができるか。この水脈を豊かにすることが、自分の役割だと児西は考えている。「ところで、アーキテクチャを検討する分科会をつくるつもりです。この主査には慶応大学の相磯先生にお願いするつもりです」と渕にいう。「相磯先生も慶応に移られて、これからは教育に力を注ぐと言っておられるが、このプロジェクトがスタートすれば、きっと参加してくださるはずだ」と渕が応える。「ええ、日吉に行って直接お願いするつもりです。メーカの専門家を集めるので、相磯先生以外には考えられない」と児西。
 
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 「ところで、電電公社の通研からは誰がいいですか」「イリノイ大学でイリアックをやった村岡洋一」この村岡洋一の名前は通産の側にきてから何人かの人から聞いている。通研でDIPSプロジェクトに入っているはずだ。通産省に出向する直前まで、児西は電電公社のデータ通信本部でDIPSのSEをしていた。しかし、村岡にも、そしてDIPSプロジェクトを率いている戸田巌にも会ったことがない。戸田巌の姿を遠くから眺めたことがあるだけだ。戸田が早稲田で開かれた情報処理学会の大会で、あるセッションの主査をしていたときである。通研にもまたアプローチしてみるつもりだ。まず誰に相談するかは、児西はすでに決めている。
 
 
 
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 「委員長はやはり東大の元岡先生だと思いますが」と児西がいう。「元岡先生だと思います」と渕がこたえる。もうしばらく構想を固め、体制のめどをつけた段階で元岡教授にお願いに行こうと児西は考える。委員長を決めるのは仕上げの段階だ。この会話の後は、渕から電総研での研究テーマなどについて教わって永田町から帰る。次に渕に会うのは、JECCで行う勉強会だ。
 
 
 
 
 
 
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